Forum Dirigieren-ドイツで学ぶ指揮者だけの育成プログラム
※このフォールム・ディリギーレン(Forum Dirigieren)はドイツ国籍またはドイツで就労・就学中の方が対象です。日本国内の音大に在籍中の方は対象外となりますが、ドイツ留学を検討している方はぜひ参考に。
指揮者って、どうやってなるんだろう。
楽器なら練習すればいい。
でも指揮者は——
オーケストラや合唱団という
「生身の人間」の心を、
動かさなければなりません。
音楽的な洞察力、
リーダーシップ、
アンサンブルとの対話力——
どれひとつ欠けても、
舞台は成り立たない。
そのための場所が、
ドイツにあります。
それがフォールム・ディリギーレン
(Forum Dirigieren)です。
目次
30年以上、ずっと若者の背中を押してきた

1990年代から始まったこのプログラム
実はもう30年以上の歴史があります。
ドイツ音楽評議会が運営していて、
「本当に才能ある若手指揮者を、本物の現場で育てる」
というシンプルな信念を、ずっと貫いてきました。
ここで学んだ卒業生たちは、
今もドイツ国内外のオーケストラや
合唱団の指揮台に立っています。
単なる講座でも、
ワークショップでもありません。
選ばれた奨学生が著名な指揮者から
直接指導を受け、一流のプロ集団と
実際に共演する——
それがフォルム・ディリギーレンのスタイルです。
机の上では学べないことが、
ここにはあるのです。
学ぶ場所は、教室じゃなくて本物の舞台
フォルム・ディリギーレンの最大の特徴は、
「一流のプロ集団と直接共演できる」ことです。
たとえば2026年のコースを見てみると——
🎵 ライプツィヒ(6月15〜19日)
MDR放送合唱団と共に、
アーティスティック・ディレクターのJosep Vila i Casanas氏のもとで学びます。
🎵 ベルリン(10月26〜30日)
会場はハウス・デス・ルントフンクス(マズレンアレー)。
Gijs Leenaars氏が芸術監督を務めます。
🎵 ケルン(11月24〜28日)
WDRファンクハウスオーケストラとともに、
Enrico Delamboye氏が指導を担当。
クラシックからポップまで、幅広いスタイルと技術的設定での演奏が取り上げられます。
🎵 ミュンヘン(3月23〜27日)
バイエルン州立歌劇場合唱団と、
クリストフ・ハイル合唱監督のもとでコースが行われました。
どれも、ふつうに生きていたら立てな
なかなか立てない場所です。
ただ、これらのコースは、
一般公募のマスタークラスとは
性格が異なります。
フォルム・ディリギーレンの
奨学生として選ばれた人だけが、
その舞台に立てるのです。
応募できるのは「ドイツにいる若手指揮者」
プログラムは2つあります。
オーケストラ指揮者部門と、合唱指揮者部門です。
応募の条件はシンプルです。
✅ 1996年以降生まれ
✅ ドイツ国籍を持つ、またはドイツで就労・就学中
✅ 選考審査への参加は最大3回まで
つまり、日本の音大在学生や、卒業生には
残念ながら、応募資格はありません。
ドイツの音大の指揮科に在籍しているか
もしくは、どんな小さなオケでも
いいですが、指揮者として、
ドイツで仕事をしていることが条件です。
応募はオンラインで行い、提出するのは——
- 約15分の指揮映像(後ろ姿はNG・ピアノ合わせも不可)
- 約1分30秒の自己紹介動画
オーケストラ部門の映像には、
できれば18〜19世紀のシンフォニー作品を含めることが望ましいとされています。
合唱部門では、
アカペラ作品2曲と合唱シンフォニー作品の抜粋を含めることが推奨されています。
自己紹介動画は、スマホ撮影でOKです。
豪華な演出はいりません。
応募動機、育成プログラムへの参加意欲、個人目標、参加への期待——
その言葉の熱量が、審査員に届けばいい。
なお、オンライン申込送信後は内容の修正ができないので、
提出前にしっかり確認しておきましょう。
送信後は確認メールが自動送信され、
一次選考の結果は審査の3週間前までに通知されます。
選考審査はどんな流れ?
書類を通過したら、非公開の選考審査へ進みます。
招待された応募者は、審査前に参加費75ユーロをドイツ音楽評議会へ振り込む必要があります。
理由なく欠席した場合は全額没収。
正当な理由があれば50ユーロが返金されます。
審査は2ラウンド制です。
オーケストラ部門の場合——
第1回:オーケストラ曲
第2回:伴奏曲
オーケストラ部門では自分の出番前、客席に入ることはできません。
各回の開始前に、オーケストラパート譜のアルファベット・数字・小節番号を確認する機会が与えられます。
合唱部門の場合——
第1回:アカペラ曲
第2回:合唱シンフォニー曲
合唱部門では両回とも、自分の出番前に客席で他の演奏を聴くことができます。
専門審査員団がその演奏をじっくり評価し、
奨学生として採用する応募者を決定します。
審査員が応募者の指導教員である場合は、
その審査から外れる仕組みになっており、
公正性への配慮もしっかりなされています。
合唱部門では、不採用となった応募者にも理由が伝えられます。
また、将来的な成長が期待されると審査員が判断した場合には、
例外的にフォルム・ディリギーレンのイベントへ招待されることもあります。
次のチャンスは、2026年11月から
2026年度の応募はすでに締め切られています。
でも、次の受付は2026年11月に始まります。
もしあなたが——
ドイツで音楽を学んでいる指揮者なら、
あるいはドイツ国籍を持つ若手指揮者なら、
このプログラムは知っておいて損はありません。
MDR放送合唱団、
WDRファンクハウスオーケストラ、
バイエルン州立歌劇場合唱団——
こうした一流のプロ集団と向き合い、
著名な指揮者から直接学ぶ経験は、
どこにでもあるものではありません。
30年以上の歴史が証明しているとおり、
フォルム・ディリギーレンはドイツにおける
指揮者キャリアの本物の出発点です。
指揮台への第一歩は、
意外と近くにあるかもしれません。
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