【All the Black Dots】人種差別と戦うブラウンの指揮塾
「All the Black Dots 2026」は
指揮者のブランドン・
キース・ブラウン氏が主催する
3日間の集中ワークショップです。
ブランドン・キース・ブラウン氏は
アメリカ合衆国生まれの指揮者。
ゲオルク・ショルティ国際指揮
コンクールの入賞者です。
現在は、生活の拠点をベルリンに置いて
活動している、なかなか個性豊かな
才能あふれる指揮者です。
今回は、彼に焦点を置いて
彼の主催するワークショップの
メリットなどもお伝えして
いこうと思います。
目次
ブランドン・キース・ブラウンってどんな指揮者?

ブランドン・キース・ブラウンさん
(Brandon Keith Brown)は
1981年にノースカロライナ州で
生まれ、同地で育ちました。
9歳で作曲を
10歳でヴァイオリンを始め
幼い頃から音楽が人生の中心になること
そしていつか指揮者になることを
確信していたそうです。
最初にボルティモアの
ピーボディ音楽院で学びました。
2012年のゲオルク・ショルティ
国際指揮者コンクール
(フランクフルト放送交響楽団)で
第3位を受賞し、402名の候補者の中から
「聴衆が最も熱狂した指揮者」として
際立った存在感を示しました。
翌2013年にはバーデン州立管弦楽団で
ヨーロッパ・デビューを飾り、
「非常に要求水準の高いプログラムを
鮮やかにこなした」(Klassik.com)と
絶賛されました。
その後、ベルリン放送交響楽団に
デビューして、即座に再招待を受けたり
コンツェルトハウス管弦楽団
ベルリン、デトロイト交響楽団
東京フィルハーモニー(東京国際コンクール)
ケープタウン・フィルハーモニーなど
国際的なオーケストラに客演を重ねています。
オペラの分野でも実力を発揮し
2012年にはウィーン・フィルの
メンバーとともにザルツブルク音楽祭で
Ansbacher Fellowshipを受賞。
Mendelssohn Fellowship(2014年)を
獲得して、クルト・マズーアに師事する
夢も果たしていますし
ローリン・マゼールのもとで
プッチーニ《三部作》を学んだ
経験も持っています。
ヴァイオリニストとして出発して
ノースカロライナ芸術大学附属高校
オーバーリン音楽院
ジョンズ・ホプキンス大学ピーボディ音楽院
で研鑽を積んだ彼は、演奏、指揮、
作曲、教育、言論活動を幅広く展開する
多面的な音楽家でもあります。
指揮者で反レイシズム活動家のブランドン・キース・ブラウン
ブラウン氏は指揮者としてだけでなく
クラシック音楽界における人種差別と
闘う活動家としても国際的に知られています。
NPR、DIE ZEIT、Deutschlandfunk
BR Klassikなど主要メディアに
寄稿・出演して
クラシック音楽における構造的な
人種差別の問題を発信し続けています。
ベルリン・ターゲスシュピーゲルでは
「アフリカ系アメリカ人のマエストロ」
として特集が組まれたこともあります。
ベルリン芸術大学の
Critical Diversity Blogでは
音楽大学や演奏業界における
人種差別と差別構造について
インタビューで率直に語っています。
また2024年夏学期には
ベルリン自由大学で歴史学者の
ジェシカ・ギーノウ=ヘヒト教授と
共同で「Race and Music
(人種と音楽)」を講義しました。
コンサルタント・スピーカー
としても活動しており、
人種と音楽の交差点をテーマにした
ポッドキャストへの出演も多数あります。
実力でコンクールを勝ち抜き
ヨーロッパの主要オーケストラを
渡り歩きながら
同時に業界の不平等な構造に
声を上げ続ける姿勢は
彼が単なる「優れた指揮者」に
とどまらないことを示しています。
というわけで、
この指揮ワークショップに
参加することは、技術や解釈を
学ぶだけでは決して無く
そうした批判的意識を持つ
音楽家のもとで薫陶を受ける
という別の意味でも
価値ある体験といえると思います。
下のリンクをクリックすると
彼のポットキャストを
聞くことができます。
ベルリン芸術大学の学生との対談なので
イントロだけ若い女性が
ドイツ語で話します。
あとは英語なのでドイツ語が苦手な人も
聞き取れます。
なぜ指揮ワークショップの名前が「All the Black Dots」?
ところで、何でこのワークショップが
「All the Black Dots」と名付けられたのでしょうか?
それに関しての直接的な説明は
記載がありませんでした。
でも、私が文脈から推測できることは...
「All the Black Dots」は
楽譜上の音符(黒い点)をすべて読み解く
という意味合いなんだろうなと思います。
「音符の点(ドット)を一つも
取りこぼさずに、音楽の
全体像を把握しようね」
つまり
「楽譜に100%忠実であることが
ワークショップの理念だよ」
と言いたいんだと思います。
また、ブラウン氏がアフリカ系指揮者
として人種的公正を訴える活動家でも
あることを踏まえると
「黒い点」= 「Black Dots」
にクラシック音楽界における
黒人音楽家の存在を重ねた二重の
意味が込められている可能性もありますね。
直接問い合わせてみたら
おもしろい答えが返って
くるかもしれませんね。
このワークショップで何を学ぶのか
All the Black Dots 2026は
2026年8月6〜8日の3日間
ベルリンで開催される指揮の
集中マスタークラスです。
英語で行われ、経験の有無や
年齢制限は設けられていません。
参加人数は限定制です。
各日の構成は実践と理論が
緊密に組み合わされています。
毎朝の指揮テクニック講座では
- バトン技法
- ジェスチャーと音の結びつき
- 打点(ictus)の身体的表現
- 予備拍
- 地理的/遠心的ビーティング
- 弦・管・打楽器への対応など
演奏現場で直結する技術を個別指導形式で掘り下げます。
午後はスコア・スタディの
セッションが設けられ
解釈を「知識に裏打ちされた想像力」
として育てるアプローチが学べます。
さらに毎日、弦楽五重奏との
実践セッションが組まれており
実際のアンサンブルを前に指揮台に
立つ機会が確保されています。
夕方のセッション
「Getting Access to the Podium」
では、
- コンクール対策
- キャリア開発
- フェローシップ情報
- プレスキット制作(履歴書・カバーレター・写真など)
などの、現実のキャリアに必要な
実務的サポートが提供されます。
2日目・3日目には講師との
個別ビデオ・ポートフォリオレビュー
も予定されています。
曲目から見えるカリキュラムの本気度
取り上げるレパートリーは
指揮者として最初に向き合うべき
作品群が網羅されています。
- ベートーヴェン《エグモント》序曲と交響曲第5番
- モーツァルト《魔笛》序曲・ディヴェルティメントK.136
- モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》の2つのレチタティーヴォとアリア
- ワーグナー《ジークフリート牧歌》
- エルガー《弦楽のためのセレナード》
- ウェーベルン《緩やかな楽章》など
古典から近代まで幅広いラインナップです。
特筆すべきは《コジ・ファン・トゥッテ》
の楽曲で、歌詞を歌いながら指揮する
ことが求められます。
これ、ウィーンの指揮科に
在籍していた時、必須だったことです。
私のイタリア語は初心者レベルだったので
早口のイタリア語を覚えるのは
めちゃくちゃ大変でしたが
「歌詞を覚えてないと振れない」
というのも事実なので、
大事なことだと思います。
多分概して日本人の指揮者は
苦手なんだろうな、とは思いますが。
ブラウン氏は柔軟な人で、
全曲準備が難しい場合は
楽章の選択も可能らしいし
受講生からのレパートリー提案も
受け付けていますので
気楽に問い合わせてみて下さい。
受講料・申込方法と注意事項
受講料は2026年8月1日以前の申込で
700ユーロ(奨学金価格)
以降は800ユーロです。
聴講のみの場合は500ユーロになります。
定員に達し次第締め切られるため
早めの申込が有利です。
申込にはオーディション動画の
提出が必要で、オーケストラ側
(できれば指揮者の左斜め前方)から
撮影した15分以内の映像を用意します。
ピアノ伴奏のみの動画でも受理されます。
コントラスティングな曲目や楽器演奏の
動画はオプションで追加可能です。
入金後、8月1日以降のキャンセルは
返金不可のため、スケジュールの確認は
慎重に行ってください。
ワークショップ自体がキャンセルに
なった場合は全額返金されます。
会場はベルリン市内で、
場所は後日発表予定です。
問い合わせは
へどうぞ。
ザルツブルク・フェスティバルから
ベルリン放送響まで舞台を
渡り歩いてきた指揮者が
コンクール対策・キャリア構築まで
含めて3日間で集中的に指導する
このワークショップは、指揮を志す人に
とって有意義な機会といえるでしょう。
ただいま3つの特典を無料プレゼント中!
1. ドイツ・オーストリア音楽留学ガイドブック
2. ドイツ・オーストリア音大(学費)リスト
3. 知っていると便利なドイツ語の音楽用語・初心者編
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