シュレフリー教授の指揮マスタークラスが年7回も開催される理由
ドイツやオーストリアでは
様々なマスタークラスが
開催されます。
指揮者になることを目指す方にとっては
音楽の本場ドイツやオーストリアで
指揮のマスタークラスを受講することは
きっと、大きな刺激になると思います。
ここでは、数あるマスタークラスの中でも
ヨハネス・シュレーフリ教授の
マスタークラスに焦点を当てて
みようと思います。
なぜかというと、この方は
1年間に、めちゃくちゃ多くの
マスタークラスを開催しているからです。
他の指揮者や指揮科の教授のだれよりも
圧倒的に多くのマスタークラスを
開催しているからです。
ここではその要因について
調べていきたいと思います。
目次
シュレフリー教授の指揮マスタークラス一覧

ニュルンベルク・マスタークラス
日程: 2026年3月30日〜4月2日
ボーフム・マスタークラス
日程:2026年4月12日〜16日
ザルツブルク・マスタークラス
日程:2026年5月19日〜22日
ソフィア・マスタークラス
2026年7月12日〜18日
ラードルフツェル・マスタークラス
日程:2026年9月15日〜20日
チューリッヒ・マスタークラス
2026年11月6〜7日
バーゼル・マスタークラス
2026年11月9〜11日
バーゼル・マスタークラス
2027年2月25〜28日
ムルシア・ミルトゥス マスタークラス
2027年4月24〜28日
指揮マスタークラスの詳細はこちらをどうぞ⇩
一般的な指揮マスタークラスが多数開催される理由
指揮のマスタークラスで講師をする
教授にとっても、自分の生徒探し
つまり「受験生の下見と青田買い」
のためには講習会で学生に
知り合うのは意義のあることです。
どの教授も、自分のクラスに優秀な生徒を
入れたいので、入試の前に実力のある子を
見定めておきたいでしょう。
受講生側にとっても、「教授との顔合わせ」
になって、 レッスンでの相性を確かめる
貴重な場になりますので、Win-Winですね。
でも指揮の講習会が開催される
もう一つの大きな理由は
「開催地やエージェントの
ビジネスモデル」です。
一般的な指揮マスタークラスには
開催側のビジネス的な意図が
必ず絡んでいると言って
いいでしょう。
講師を担う教授にとっての
お小遣い稼ぎにもなりますが
オーケストラとの共演を
売り物にすれば、主催者側も
かなり大きな額のお金を
動かすことができます。
なんせ、
指揮のマスタークラスは
受講料がかなり高額に
設定されていますからね。
さらに、聴講生からも
お金を取れるため企画する
エージェントや音楽祭の
運営側にとって、非常に
利益の出やすいイベント構造に
なっています。
「指揮という専門性の特殊さ」
がこの高額マスタークラスに
つながるわけです。
指揮科の学生は、
普段の大学の授業だけでは
プロのオーケストラを振る
機会が圧倒的に足りません。
そのため、
「オーケストラを振れる」
という付加価値をつければ、
高額な参加費を払ってでも
世界中から受験生や若手が
集まってくるわけです。
このように、 教授の知名度を
利用したい エージェントの思惑と
コネや経験が欲しい受講生のニーズが
一致するため、 指揮の講習会は
年中あちこちで大量に開催されています。
シュレフリー教授について
でも、こと、この方、
ヨハネス・シュレフリー
(Johannes Schlaefli)教授
に関しては、上記の事情は
あまり当てはまらない
ような気がします。
彼がどうして年に7回も
マスタークラスを開催するのか
それには、上記とちょっと違う
彼ならではの理由があるように
私には見えます。
ヨハネス・シュレフリー氏の経歴
まず、彼の経歴と現在のヨーロッパの
音楽界での立ち位置を見てみましょう。
経歴
誕生
1957年9月23日生まれ。
音楽の出発点
オーボエ奏者として音楽家としてのキャリアをスタートさせた。
幼少期の音楽教育を受けた場所や詳しい経緯については、公開されている資料には記載がない。
指揮の勉強
指揮はほぼ独学で習得した。
その過程で、指揮者のエーリヒ・シュミット、マリオ・ヴェンツァーゴ、カーク・トレヴァー、レナード・バーンスタインらから重要な刺激を受けた。
最初の指揮活動(27歳頃から)
若い頃に「セレナータ・バーゼル」(現カンマーオーケストラ・バーゼル)の共同創設に携わり、15年間にわたってこのオーケストラを率いた。
カンマーオーケストラ・バーゼルの共同創設は1984年のこと、すなわち26歳のときである。
同じく1984年には、チューリッヒの両大学のオーケストラの指揮者に就任した。
経歴から見えること
これは私個人の意見ですが
経歴から見えることは
「すごい!」
ということです。
何がすごいかって、この人
音大の指揮科を出てませんよね。
オーボエ奏者として出発したのに
指揮に目覚めて、26歳の時に
オーケストラを作っちゃって
15年もそのオーケストラを
率いていたわけですよね。
確かにたまに、そういう天才肌の
音楽家って存在します。
彼もその1人ということです。
そして、幼少期・青年期に関する情報
(出身地、学歴、初期の師匠など)
は未公開だということも
ミステリアスでおもしろいなと思います。
現在
- チューリッヒとフランクフルト音楽大学の客員教授
- メニューイン・フェスティバル・グシュタードの指揮アカデミーの「ヘッド・オブ・ティーチング」
- スイス青少年交響楽団(SJSO)の芸術監督
- チューリッヒ芸術大学(ZHdK)の指揮科教授職を定年退職
- 「コンダクティング・アカデミー・ヨハネス・シュレフリ」を主宰して、多数のマスタークラスを開催
- 客員教授やマスタークラスの講師として、オスロ、ヘルシンキ、コペンハーゲン、ベルリン、ハンブルク、フランクフルト、ウィーン、ザルツブルク、ソフィア、ニューヨークなど世界各地から招聘され高い国際的評価を得ている
ヨハネス・シュレフリー氏の現在の立ち位置
上の現在の活動を読めば
わかると思いますが
音大を退官後に自分の
指揮アカデミーを作るほど
70歳近いのに、いまだにバリバリ
勢力的な活動を続けているのですね。
ここでも
「すごい」
としか言いようがありません。
シュレフリー教授の指揮マスタークラスが年に7回も開催される理由
どうして、シュレフリー教授は、年に7回も
指揮マスタークラスを開催するのでしょうか?
見えてきたのは、下記の事実です。
教育を本業として
チューリッヒ芸術大学の教授職を名誉退職して以来、自身が主宰する「コンダクティング・アカデミー・ヨハネス・シュレフリ」における多数のマスタークラスにいっそう力を注いでいます。つまりマスタークラスは副業ではなく、教授職退任後の中心的な職業活動です。
独自の組織
チューリッヒのオンダイを退官後に
「コンダクティング・アカデミー・ヨハネス・シュレフリ」
という独自の組織を構築して
多数のコースを開催するための
専門的な体制を整えています。
他の指揮者がマスタークラスを
客員として散発的に行うのとは対照的です。
この人は、自発的にやっているのです。
世界的な需要
世界で最も需要の高い
指揮の教師の一人として、
ヘルシンキのシベリウス・アカデミー
ニューヨークのジュリアード音楽院
バーミンガム市交響楽団
アスペン音楽祭
などから招聘を受けています。
こうした高い需要が、自身のコースに
対する高い関心にもつながって、
指揮の学生からの応募が殺到するのでしょう。
首席指揮者のポストを離れて
オーケストラのリハーサルや演奏会で
多忙を極める現役の首席指揮者とは異なり
シュレフリ氏はそうした時間的拘束の
大きな職務をほぼ手放して
教育に集中できる環境にあります。
まとめると、シュレフリ氏はキャリアの
後半において、教育活動を意識的に
中心に据えていて
その点で多くの他のと指揮者とは
一線を画しているということです。
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