ドイツの州立音楽学校!音大受験準備コース(SVA)にアジア人が殺到しない理由
ドイツには、中規模以上の
各都市、各区に、公立の
音楽学校があります。
その音楽学校には、もちろん
かなりハイレベルな、
音楽大学受験準備コース
Studienvorbereitende Ausbildung (SVA)
があります。
もちろん、
音楽大学受験準備コースに入るには
実技試験がありますが
試験さえ受かれば、最高の受験準備の
ための環境が待っています。
そして、公立なので何と言っても安いし、
場合によっては半額免除や、全額免除の道もあります。
では、なぜ、
そんな好条件でハイレベルの
音楽大学受験準備コースに
音大入学希望のアジア人が
殺到しないのでしょうか?
その辺を、実際に長年、
音楽大学受験準備コースの生徒を
教えてきた1人として
詳しく解説していきます。
目次
驚くほど安い授業料と縦と横の強いつながり

まず、公立の音楽学校の組織性について。
その組織性には
「さすがドイツ!」
と言える、強い横と縦の繋がりがあります。
まず、一つの州に多数ある
公立音楽学校同士の協力体制と
州を超えたドイツ全土に渡る
音楽学校同士の横のつながり。
そして、公立の幼稚園から始まっていて
小学校、ギムナジウム、そして
その州の音楽大学までの
縦の強い結びつきです。
また、財政的にも、自治体や州が
日本では想像もできないほどの
大きな割合で運営費を負担しています。
簡単にいうと、めちゃくちゃ安く
プロフェッショナルな音楽教育を
誰もが受けることができます。
「でも、レッスン料は払わないといけないんでしょ?」
とあなたは思うかもしれませんが
そもそも、公立の音楽学校のレッスン代は
プライベートの音楽学校に比べると格安です。
それに付け加え、授業料を払うのが
難しい家庭には、半額援助の道があり、
もっと大変な家庭には、
提携している財団が一部を負担してくれて
全額免除になる道もあります。
私もベルリンの州立音楽学校で
教えているので、そういう例をたくさん
サポートしてきました。
ドイツの音大、音楽院、音楽学校の構図
ドイツで音楽を学ぼうとすると
名前が似たような機関がたくさんあって
最初は混乱するかもしれません
まずはそれぞれの立ち位置を
すっきり整理しておきましょう
a ドイツの音楽院の立ち位置
ドイツ語で「Akademie」や
「Konservatorium」と呼ばれる音楽院は
国立の音楽大学とは別の私立機関が多いです。
プロの音楽家を目指す人のための学校で
音大と同じような学位が出るところもあります。
b ドイツの音楽学校の立ち位置
「Musikschule」と呼ばれる音楽学校は
基本的には地域住民のための教育機関です。
子供から大人までが趣味で通う場所ですが
その中に、上記の音大を目指す人のための
本格的な専門コース、
音楽大学受験準備コース
Studienvorbereitende Ausbildung (SVA)
が用意されています
一番人気は国立音大、数が多いし無料のところが多い
留学生がまず第一に目指すのは
やはり国公立の音楽大学
(Musikhochschule)です
ドイツ全土に20以上もの数があり
何より学費が原則無料か
あっても学期ごとに1500ユーロ程度です
世界最高峰の教授陣から
お金をほとんどかけずに学べるため
ここは常に世界中の天才たちの
激戦区になります
詳しくはこちらをどうぞ⇩
侮れない私立の音楽院。学士、修士の取得も可
国立音大の倍率があまりにも高いため
選択肢に入ってくるのが私立の音楽院です
私立とはいえ国から認定されていれば
大学卒業資格(学士)や修士号を
きちんと取得できる学校もあります
学費は年間で数千ユーロほどかかりますが
国立に比べると入試の門戸が広く
ここで腕を磨く留学生もたくさんいます
詳しくはこちらをどうぞ⇩
本当はめちゃくちゃレベルが高く安い音楽学校の音楽大学入試準備コース
実はドイツの州立音楽学校には
「SVA(Studienvorbereitende Ausbildung)」 という音大受験準備コースがあります
これが驚くほど充実したシステムで
実技レッスンだけでなく
副科ピアノや音楽理論、聴音まで
すべてパッケージになっています
費用はなんと月80ユーロ前後という破格の安さ
教える先生方もプロばかりで
地域の国立音大との繋がりもあるので
内容もレベルも本当に高い
素晴らしい環境です
音楽学校の音楽大学入試準備コースにアジア人が殺到しない理由4つ
これほど好条件のSVAなのに
なぜアジアからの留学生で
溢れかえらないのでしょうか?
それには4つの現実的な理由があります
1. 「学生ビザ」が発行されるかどうか
これが一番大きな問題です
ドイツで留学ビザをもらうには
週に何時間以上の授業があるという
フルタイムの証明が必要になります
SVAは週に数時間のレッスンなので
これ単体では新規のビザが下りない
ケースがほとんどです
私立の音楽院はビザが出る学校として
国から認可されているため
ビザ目的で私立を選ばざるを得ないのです
一応言っておきますが、
裏技としては、語学学校に通って
そこで語学学生ビザを出してもらう
という方法はあります。
2. そもそも情報が届いていない
アジアからの受験生の多くは
留学エージェントを頼ってやってきます
ビジネスの仕組み上、エージェントは
提携している私立の音楽院を
どうしても紹介しがちになります
また、地元の音楽学校のSVAは
サイトがドイツ語のみで地域密着型なため
海外からの情報網には引っかかりにくいです
3. 入試の時点で「ドイツ語」の壁がある
州立音楽学校のSVAのオーディションでは
先生との意思疎通や理論の授業のために
最初から最低限のドイツ語力が求められます
対してアジア人向けの私立音楽院は
ドイツ語ゼロでも受け入れてくれて
校内で語学講座をセットにしてくれたりします
言葉の不安がある人には私立の音楽院の方が
ハードルが低く見えるわけです
4. 年齢制限に引っかかるケースも
SVAはもともと 地元の
「青少年の才能育成」が目的です
そのため自治体によっては
20歳前後などの年齢制限が
厳しく設けられていることがあります
日本の大学を卒業してから渡独するような
20代中盤の受験生にとっては
そもそも応募資格すらないこともあるのです
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