音楽留学で人生が変わる?ウィーンで私が劣等感を克服したリアルな体験談
みなさんの中には
「音楽留学するなら、
ドイツやオーストリアに行くべきでしょ」
と漠然と思っていらっしゃる方も少なくないのでは。
なぜかと言ったら、もちろん
「音楽の道を極めたい」
というのが1番最初に挙げられるでしょう。
ドイツやオーストリアへ
音楽留学することには、
音楽的、芸術的、文化的、
歴史的、伝統的なメリットが
たくさんあります。
でも、今回私がお伝えしたい、
もう1つの、もっと深い意味での
ヨーロッパへ音楽留学すべき理由は、
留学することによって、自分の人生に
決定的な影響を与える
「パラダイムシフト」
が起きるからだと、私は思っています。
「えっ? パラダイムって何?」
って思いますよね。
私の愛読書でおすすめ本のナンバーワンである、スティーブン・R・コビー氏の
「7つの習慣」
で、パラダイムと、パラダイムシフトについて詳しく説明されてます。
(この本自体がまさに「パラダイムシフト」を起こしてくれるので、ぜひ読んでみてください)
「第一部パラダイムと原則」の「インサイド・アウト」の章の「パラダイムの力」で、次のように説明されています。
パラダイムという言葉はギリシャ語に由来している。元々は科学用語だったが、昨今はモデルや理論、認識、既成概念、枠組みを意味する言葉として広く用いられている。平たく言えば物事の「見方」であり、物事をどう認識し、理解し、解釈しているかである。
引用元: スティーブン・R・コビー著「7つの習慣」15ページ
ここではごく簡単に説明しておくと、
パラダイム (ものの見方、固定観念)
パラダイムシフト(天地をひっくり返すくらいに大きく固定観念が転換されること)
という感じかなと思います。
日本で当たり前だと思っていたことが、
実は間違っていたと気づいて目の前が
パッと明るくなる瞬間!
それを人生において体験できるか、
できないかでは、今後のあなたの
生きる方向性に、大きな違いが生まれるからです。
もちろん、ヨーロッパに来て
いいことだらけというわけでは
決してないでしょう。
私だって、ネガティブな経験
嫌というほど、たくさんしました。
でも、ヨーロッパに生活する上での
ネガティブな経験も、逆に、日本の良さ、
日本人の良さを再確認することができる
という上で、やはり
「パラダイムシフト」
なのです。
外国で生活しながら再認識した日本の良さ、
日本人の良さは、もっと大事にしようと
思うでしょうし
逆に、他の国の普通と比べたら
「日本のこういう常識はきつい」
と感じたら、日本に帰ってあなたが、
ちょっと新しい風を吹かすことが
できるかもしれません。
そういう小さなそよ風がたくさん集まれば
日本全体が、大きな風になって、もっと
自由で風通しのいい社会に
なっていくことは間違いないです。
繊細で、かつ強いメッセージ性を
持っている目に見えない「音楽」
というものを、
生涯の共に選んだあなたなら、
おそらくおのずと、日頃から
「生きるということの本当の意味」
を考えたり、
「本当の自分探し」
をされているのではないでしょうか。
私の場合の1番大きかった
パラダイムシフトについて、もう少し
詳しくお話しします。
1番大きなパラダイムシフト

私は、小さい頃から、
- 頭がものすごくよくないと作曲家にはなれない。
- 難解な対位法や和声法を習得していなければ作曲科には入れない
- 私には作曲の才能がない。ピアノの才能もない
と日本の田舎でずっと周りから言われたし、
自分でもそう思い込んでいました。
都会育ちの人からすれば
「いやいや、そんなことないでしょ。大げさな」
と感じるかもしれません。
でも、考えてみて下さい。
30年以上前にネット社会は
まだ存在していなかったのです。
だから日本の都会と田舎の
情報格差は結構深刻でした。
曲はたくさん作っていましたが、
高校時代も大学時代も、「作曲家」に
なることにとても憧れていても、
作曲家のところにレッスンに行く
勇気すらありませんでした。
なぜかというと、その作曲の先生に
「あなたには才能がないから作曲家にはなれないよ」
「こんなんじゃ全然、箸にも棒にもかからないよ」
などと言われて人生の終わりくらいに
傷つくのが怖かったからです。
その頃の私にとっては、
「作曲家」と言われる人たちは、
神みたいな存在でした。
作曲は、自分の中でいちばん大切なものだっただけに、その大切なものを、もし、
「才能ない」
と言われて、否定されたら立ち直れないという、自己防御がずっと働いていました。
だから、その「劣等コンプレックス」が体に染み込んでいて、最初から
「作曲科に入ること」
は諦めていたので、無難なところで
日本の総合大学教育学部でも、
ピアノ科に入ったし、
ウィーンではまずピアノ科に
入ろうと思っていました。
周りはみんな、私の夢は
ピアニストだと思っていたと思います。
ところがウィーンに行って
マスターコースを受けた時に
知り合った指揮科の学生に
「君は、根無し草みたいだね。せっかく
苦労してウィーにまで来たんだから、
いい加減に本当にやりたいことを目指したら?」
と言われたのです。
こんなに苦労してやっと実現させたウィーン留学。なのに、
「根無し草」
と言われたのには、カチンときたし、
ショックでしたが、考えれば考えるほど、
彼の言うことは正しかったのでした。
そして、ウィーン国立音大の当時まだ
講師だったシェルマン氏のゼミに行って、
「聴講させてください」
と緊張しながら頼みました。
シェルマン氏は、天下のウィーン国立音楽大学の和声と対位法の講師なのに、近所のお兄さんみたいなノリで
「いーねー!もちろん!毎週来ていいよ」
と言ってくれたのでした。
そして、そのゼミが、私の想像していた
「難しい和声と対位法」とかけ離れた、
簡単で、楽しいゼミだったのが、
本当にカルチャーショックでした。
みんなで楽しく四部合唱をしたり、
時には、シェルマン氏が
バロックスタイルの即興演奏を
披露してくれました。
かと思うと、今度は、
ジャズスタイルの即興演奏。
彼ほど音を自由に操れる人を、
見たことがなかった私は、
本当に毎週、カルチャーショックでした。
「あれ? 作曲って、すごく難しいから、
よっぽど頭が良くないと
できないんじゃないじゃん!」
ということを、音楽の本場ウィーンに
来てやっと気付くとは!
自分の劣等コンプレックスから、
ずっと勇気が出なくて言えなかった一言
「本当は作曲家になりたかった。」
を、やっと言えた時は、もう24歳になっていました。
それから、暗闇がパーっと明るくなった感じがしました。
「自分が本当に心からやりたいことを
やれるのなら、入試に1回や2回ぐらい
落ちたって、別になんてことないでしょ?」
と思っている自分がいました。
そして、その内部から溢れる
「楽しい」
「生きてる」
というエネルギーが機動力となり、
ウィーン音大の入試には、準備期間は
半年だったのに見事一発で合格しました。
「頭がものすごく良くなくても、
難解な対位法や和声法をマスターして
いなくても、作曲科に入れるし、作曲家になれる。」
という気付きが、多分、私の人生で1番大きな
パラダイムシフト
でした。
だから、人生、生きていると周りの
いろんな人が、本当に好き勝手なことを
言いますが、
「本当は誰にでもその人の唯一無二の才能があるんだ。」
ということを大きな声で言いたいです。
だから、あまり周りの人の言うことを信じないでいいと思います。
まず、自分の可能性を信じてあげましょうよ。
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