バーデン=ヴュルテンベルク州の音大:5校もある理由はベンツの故郷だから?

ドイツで一番リッチな州の一つバーデン=ヴュルテンベルク。

(通称:BW州)

ベンツやポルシェの 本拠地としても有名で、経済力はまさに「最強」!

でも実は…… というか、だからこそ

音大の数もドイツ国内で1位なんです。

「お金持ちの州」と 「音大が多い州」は ほぼ一致するんですかね?


バーデン=ヴュルテンベルクの州都シュトゥットガルトは「クルマの聖地」

引用元: nextmobility.jp

さて、どうしてバーデン=ヴュルテンベルク州は、その元西側の州の中でも、それほどまでに豊かなのでしょうか?

それは世界中の クルマ好きが憧れる

「聖地」

がこの州にあるから、と言っても言い過ぎではないかもしれません。

日本でも高級外車の代名詞として、誰でも聞いたことのある

「ベンツ

ポルシェ

の両本社がこの州の州都、シュトゥットガルトにある」

というだけで、もう十分な説明になっていると思います。

メルセデス・ベンツ

引用元: mercedes-benz.com

メルセデス・ベンツは 世界最古の自動車メーカー。

すべては1886年、 2人の男性から始まりました。

カール・ベンツが 画期的な

「三輪車」

の特許を取って、

ゴットリープ・ダイムラーが

「四輪馬車」

を開発したんだそうです。

1886年にこの人たちが

「自動車」

を発明して以来、ベンツはこの地を中心に発展したのだそうです。

なんか、ドイツのクラッシック音楽の長い伝統と、共通するような、約140年もの車の歴史の先駆者だったなんて。

車のことはわからないし、ベルリンでフランス、ルノー社の小型車Twingoを愛用していた私ですが。

でも、

「ドイツ人って、すごいんだなー、ドイツ音楽がすごいだけじゃなくて、自動車も発明してたんだなー」

と、改めて実感。

今では世界的な巨大企業 「メルセデス・ベンツ・グループ」 へと成長を遂げたんですね。

ポルシェ

引用元: porsche.com

ポルシェのあの有名な「跳ね馬」の エンブレムは、実は シュトゥットガルト市の 市章がモチーフなんだそうです。

私にとっては、ベンツもポルシェもお金持ちの車ですが、

ドイツ人にとっては、かなりはっきりした違いがあるみたいです。

ベンツなら、小型車や中古車なら比較的高く購入できます。

めっちゃお金持ちというわけではないけど、安全で丈夫な長持ちする車を買いたい層からも、人気があるのがベンツです。

でもポルシェの方は、とにかく

「高級スポーツカー」

のイメージが大事みたいで、どうせポルシェを買えるくらいのお金のある人は、絶対に新車を買うそうです。

この間、ドイツ人の女友達が「久しぶりに一緒に食事に行こう」と言ってきて、

「車で迎えに行くから」

と言われました。

普通、ベルリンの中心地に食事に行くなら、電車で行ったほうが、渋滞の心配はないし、駐車スペース探しもしなくていいし、絶対に楽です。

だから

「何で車?」

と思いましたが、本人の希望なので、そうすることに。

迎えにきた車に乗ろうとしたら、まず、ドアの開け方がわからない。

友人が降車して開けてくれました。

「やれやれ」

と乗車したら、突然ズドンと座席に沈んだので、びっくりして

「えっ?」

と小さな悲鳴をあげると、友人に

「ふふっ、ポルシェは座席が低いからねー」

と笑われました。

そうです。

彼女はリッチな旦那様から、誕生日に車をプレゼントされていたのですが、その車は実は、ポルシェだったのです。

彼女にしてみれば、車を見た瞬間に

「わー、ポルシェ買ってもらったの?すごーい」

と言って欲しかったのに、あまりにも車に興味のない私は、それがポルシェだとすら気づかなかったのです。

ま、とにかく、お金持ちのシンボル、ポルシェ。


なぜ「リッチな州」に音大が密集するのか?

ベンツとポルシェ。

2大巨頭が 同じ街に鎮座している。

そのおかげで シュトゥットガルト周辺はドイツ屈指の

「金満エリア」

になっていて、とにかく街全体が潤って、税収も多く、ひいては音大への 潤沢な予算にも つながっているわけなんですね。

ちなみにBMWの本社は、バーデン=ヴュルテンベルク州のお隣バイエルン州の ミュンヘンですが、もちろんバイエルン州も同じくリッチな州として有名ですね!

ドイツは連邦制。

教育や文化は「州」の管轄です。

「良い音大を持ち、優秀な学生を集める」

それがリッチな州のステータスにもなっているのでしょう。

【注意】BW州だけは「授業料」がかかる!

最強のBW州を目指す人に ひとつだけ注意です。

まあ、調べて知っている人もいると思いますが...

ドイツの国立大学は 「基本無料」で有名ですが、このバーデン=ヴュルテンベルク州だけは、2017年から 非EU留学生に対して、授業料を徴収しています。

1セメスター:1,500ユーロ 年間:約54万円ほど。

「ドイツはタダ!」

と思っていると 少し驚くかもしれません。

でも、日本の私立音大と比べたら、安いいもんですね。

それで本場でいい先生の元で学べて、ドイツ最強の設備が使えるなら、かなり 「買い」な投資なのでは、と思います。

それでもBW州の音大に留学するメリット

ドイツでは、音大生でも在学中からいろんなコンサートの依頼が来ますが、バーデン=ヴュルテンベルク州やバイエルン州など、いわゆる「リッチ」な州では、コンサートのギャラが、どう考えても高いです。

私も、原の人たちと室内楽コンサートをやっていた頃があって、時々その辺からもオファーがあったので行ってたんですが、ギャラがめっちゃいいので

「たまたまかな?」

「偶然かな?」

と思ってましたが、何度もそんなことが重なると、それは確信へとつながります。

音大生からも、やはり同様のことを聞きました。

学生のコンサートのギャラがいいだけではありません。

お金がある州には ハイレベルなオーケストラや 歌劇場も多い。

卒業後の「就職先」がたっぷりあることって、音楽家にとっては死活問題でもありますね。

「音大時代にもコンサートのギャラがよくて、卒業したら、すぐ近くに仕事がある」

最高のサイクルですね。

もちろん、卒業後のオーケストラやオペラ座への

「正規雇用(Festanstellung)」の壁

は、昔に比べて間違いなく高くなっていると、就職活動をしていらっしゃる学生さんから、よく聞きます。

バーデン=ヴュルテンベルク州のような「リッチな州」であっても、その厳しさは例外ではないようです。


経済力と音楽の切っても切れない関係

「お金があるところに 良い音楽と教育が集まる」

これは音楽の歴史が証明する 一つの真理かもしれません。

借金まみれのベルリンに 30年以上住んでいる 私からすれば……

「そのお金、ちょっと ベルリンに分けて!」

と思ってしまいます(笑)

最近のベルリンの音大は 財政難が本当に深刻で 私の友人も、予算削減で 客員教授の席を失いました。

でも、最近のベルリンは

「ITスタートアップの聖地」。

新しいお金が 流れ込み始めているので これからの復活に 期待しましょう!

伝統と資金力の南ドイツか、カオスで刺激的なベルリンか。

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