ドイツで就職するなら!オルガン演奏科学生には教会音楽家の国家資格も必須
ドイツの音大のオルガン演奏科に入学する学生さんも時々いらっしゃいます。
そんな方々が大体取得するのが教会音楽家のライセンスです。
ここでは、その国家資格がなぜ
素晴らしいオルガン奏者に必須なのかを
ご説明していきます。
目次
日本で教会音楽を志す人のルート

日本で教会音楽を学ぶことのできる
機関は、前回の記事で挙げたように
大学院のひとつの専攻であったり
独自の音楽研究所という形で
ピンポイントに存在するのみです。
文部科学省が認可している一般的な
音楽大学の中で、「独立した大きな学科」
として数多くの学生を受け入れている
場所はほぼありません。
詳しくはこちらをどうぞ⇩
日本で「教会音楽」を志す人は、
キリスト教系の音大のオルガン科に
進むか、 より実践的な教会の研究所
(聖グレゴリオの家など)で
本場のノウハウを学ぶケースが多くなります。
そのため、日本で本気で
オルガンや合唱指揮
あるいは教会音楽の国家資格
(A級・B級ライセンスなど)を
目指そうとすると自ずと
ドイツのような本場の環境へ
留学するのが王道ルートになります。
というのも、日本にも、下記の通り
ドイツの国家資格の一つである
C級ライセンスを取得することができる
教育機関は存在しますが、
A級・B級ライセンスは
ドイツに行かないと取れません。
信者でなければ教会音楽は学べない?

じつは、日本でオルガンを専攻し
のちにドイツの教会音楽家として
本格的に現地で就職して
生活していこうと決意する人の中には
渡独した後にカトリックや
プロテスタントの洗礼を受ける方も
少なくありません。
西洋音楽とキリスト教は
切っても切れない関係ですが
その中でもオルガンという楽器は
教会の典礼や祈りの空間と
最も深く結びついているということも
その大きな理由の一つでしょう。
日本にはキリスト教徒の割合が
それほど多くないため
キリスト教自体に興味を抱いていても
「洗礼はまだ受けなくてもいいかな」
と思う人も少なからずいるでしょう。
ドイツで音楽を究めるプロセスの中で
本場の文化に触れながら
自然と信仰の道へと導かれるのは
とても自然な流れなのでしょう。
ちなみに、ドイツの教会音楽科では
「就職試験」の段階になると
キリスト教徒(所属する宗派)である
証明書が厳しく求められます。
でも、じつは「大学の入学試験」の
段階では、まだ信者でなくても
音楽の実力次第で合格できるケースが
ほとんどです。
現地の仲間から聞くところによると
最近のドイツでは
特に若者の教会離れが加速していて
教会音楽家(Kirchenmusiker)を
志望する人自体が激減しているそうです。
この教会音楽家不足は、
ドイツでかなり深刻な問題に
なっています。
だからこそ、
教会音楽大学の入試段階では
キリスト教の洗礼を受けていない人でも
実力があればしっかりと合格させて
門戸を広く設けているのですね。
教会音楽家になるための試験は難しい?

ドイツの教会音楽家(Kirchenmusiker)
の資格には、「A・B・C・D級ライセンス」
の4種類があります。
それぞれの位置づけと具体的な
取得方法をまとめました。
これは単なる民間の資格ではなく
ドイツの教会(カトリック/
プロテスタント)と国家が公認する
就職に直結した公式なライセンスです。
資格の全体像(就職との関係)
ドイツの教会音楽家のポストは、
この資格レベルによって明確に
ランク分けされています。
- A級: 最高峰の「専任・フルタイム」ポスト(大聖堂のオルガニストや教区の音楽監督)
- B級: 一般的な「専任・フルタイムまたはパートタイム」ポスト(地域の中心的な教会の音楽家)
- C級・D級:「副業・8非常勤(Nebenamt)」としてのポスト(週末の礼拝だけを担当するなど)
C級、D級ライセンスは結構簡単
その「A・B・C・D級ライセンス」を
取得するための学科は音大内にあります。
それとは別に、教会独自の予備校?
というか準備コースもあり、
どちらも入りやすいし、安価です。
C級・D級ライセンス(副業・非常勤レベル)取得方法
まずは最も身近な、地域の教会で奉仕するためのライセンスです。
音大の「教会音楽科」を卒業する
必要はありません。
各地域(教区)の教会音楽研究所や
認定された専門機関が主催する
「C級講習(C-Ausbildung / C-Seminar)」
を修了し、試験に合格することで取得できます。
- 修業期間: 約2年(週末や夜間のコースが多いです)
- 試験内容: 基本的な典礼オルガン伴奏、賛美歌の伴奏、初歩的な合唱指揮、音楽理論、キリスト教の典礼学など。
- 特徴: ピアノをずっと趣味でやっていて、上級くらいには達している主婦や一般の学生で、自分の収入源を増やすために、C級を講習会などで取得するケースがよくあります。D級はさらにその入門編です。
A級、B級ライセンスは難しい
B級ライセンス(専門職・学士レベル)取得方法
ここからは「本職」として教会音楽で
食べていくための本格的なプロ資格になります。
音楽大学の「教会音楽科・
学士課程(Bachelor Kirchenmusik)」
に入学し、卒業(学位取得)することで
自動的にB級ライセンスが授与されます。
- 修業期間: 4年間(8学期)
- 入試とカリキュラム: 入学には実技試験(オルガン演奏、即興演奏、ピアノ、声楽、合唱指揮、音楽理論など)の合格が必要です。授業ではオルガンだけでなく、合唱団を指導するための高度な合唱指揮が厳しく叩き込まれます。
- 特徴: ドイツで教会音楽家として自立してフルタイムで働くための、標準的なスタートラインとなる資格です。
A級ライセンス(最高峰・修士レベル)取得方法
教会の音楽家としてトップに君臨する
ための、最上位の国家・教会公認資格です。
音楽大学の「教会音楽科・修士課程
(Master Kirchenmusik - A)」に進学し
卒業(学位取得)することで授与されます。
- 修業期間: 2年間(4学期)
- 入学条件: 原則として、すでにB級ライセンス(または教会音楽のバチェラー学位)を保持していることが条件となります。入試のハードルは極めて高いです。
- 試験内容: 巨大なパイプオルガンを用いた大曲の演奏、高度な即興演奏(オーケストラ的なスコアをその場でオルガンで弾くなど)、大規模なオーケストラや合唱の指揮、高度な音楽理論と神学の知識が求められます。
- 特徴: この資格を持っていると、ドイツ全国の主要な大聖堂や、地域を統括する「教会音楽監督(Kirchenmusikdirektor)」などの最高峰のポストへの応募資格が得られます。
実は日本でも取得可能なC級(C-Prüfung)
調べてみたら日本でもC級(C-Prüfung)が取得可能だということが判明しました。
前の記事の一覧にも載っていますが、こちらです。
聖グレゴリオの家(東京・東久留米)
カトリック精神に基づく 「宗教音楽研究所」で、 ずばり「教会音楽科」が 設置されています。
グレゴリオ聖歌、教会合唱、 オルガン即興演奏などを 本格的に学べる場所です。
「レーゲンスブルク・カトリック教会音楽大学(HfKM)」 が認定する
「副業としての(あるいは非常勤の)教会音楽家養成コース」
が開講されています。
この資格をとっておけば、ドイツに留学しても、即教会に応募して空きがあれば雇ってもらえます。
留学費用を稼ぐためにはいいバイト先(!?)ですね!
まとめ
日本ではそれだけ
希少な分野だからこそ
本場ドイツの教会音楽大学において
教会音楽を極めることは
ものすごく価値がありますね、きっと!
ただいま3つの特典を無料プレゼント中!
1. ドイツ・オーストリア音楽留学ガイドブック
2. ドイツ・オーストリア音大(学費)リスト
3. 知っていると便利なドイツ語の音楽用語・初心者編

