こんにちは。
「車いすギャルさしみちゃん」が2023年4月に日テレ「情報ライブミヤネ屋」に出演後
「お前みたいな弱者に税金おさめてんじゃねーんだよ」
などのアンチが湧いてて、終わってるなと思った
と、Xにつぶやきました。
車椅子ギャルさしみちゃんの「エレベーターに乗れない」などの訴えは、もしドイツだったら絶対に炎上しません。
その理由をドイツ在住日本人の目線で解説します。
車椅子ギャルさしみちゃんについてはこちらをどうぞ⇓
車椅子ギャルさしみちゃんは何を訴えてる?
引用元: instagram.com
2023年4月26日に放送された「ミヤネ屋」では、「車いすギャルさしみちゃん」
が日頃から訴えている
「エレベーターに乗れない」
という、障害者の、車いす利用者の立場からの悩みが打ち明けました。
以下が車椅子ギャルさしみちゃんのツイートです。
どのヤフコメみても結構な人が
車椅子の人も乗る意思表示をしろって来るんだけど
車椅子がエレベーターの前にいて乗らないわけなくない?エレベーター見るのが趣味だと思ってる?態度 自分から頼め 見た目の問題 健常者に迷惑をかけている
ただ車椅子の人がエレベーターに乗りたいって言っただけで必ずこういうことを言われる日本。
移動したいだけです。
引用元: twitter.com
これを読む限り、当たり前のことを訴えているように思えます。
アンチはどんなことを主張してる?
引用元: instagram.com
さて、ではアンチの人たちは、どんなことを言っているのでしょう?
まず、結構あったのが、
後方でスマホ撮影してないで、はっきり乗る意志が伝わる方法考えて実行して
実際に動画撮影しながらエレベーター前にいたらそりゃあなんだかわからんよね
それをわざわざ動画にして投稿して批判されたら障害者差別って…
心無い誹謗中傷もあるだろうしそれは問題外として
普通の批判を受け入れてはなさそう
そもそもYouTuberが勝手に一般人投稿してるのは盗撮じゃないの?
何も言われずに動画を撮られて晒されるのは勘弁してほしい。
などです。
確かに一理あるのは、エレベーターに乗る人の動画や画像が、勝手に晒されたことです。
それから、スマホを構えたりしていたら、あまりエレベーターに乗る気満々には見えないだろうとは思います。
ちなみにドイツでは、もし、車椅子の人がエレベーターの前にいるのが見えたら、そこまで乗る気満々で目で訴えていなくても、必ず誰かが、
「乗りますか?」
って声がけします。
もうとにかく、エレベーターを必要とする人が、エレベーターでは最優先というのが、常識です。
誰も
「健常者だって疲れてるし、急いでるだから、いいじゃん」
というようなことは言わないし、書きません。
あと、さしみちゃんのギャル風のファッションが気に入らない、というようなことを書き込んでいる人もいました。
日本じゃなかなか受け入られ難いファッションの好みをお持ちのようです。(…)
主張するにはそれなりのTPOや態度が必要なのでは、と考えます。
そして、やばーい過激な発言もちらほら!
「障害者の方は健常者に多大なる迷惑をかけているという気持ちを持つべき」
「お前みたいな弱者に税金おさめてんじゃねーんだよ」
このような誹謗中傷は、ドイツだったら確実に訴えられるでしょう!
なぜドイツでは絶対炎上しないのか
引用元: youtube.com
さて、では、なぜドイツだったら炎上しないのかを挙げてみます。
1 普通のことだから
引用元: instagram.com
基本的に、世の中にパーフェクトな人間はいないわけで、みんな、多かれ少なかれ、どこかしら、不自由なところを持っていますよね。
たまたま歩けない人は、車椅子に乗ったり、義足をつけたりして、苦手な部分や、できないことを補って、普通に生活しているのです。
だから、ドイツの日常生活では、
あなたは「身体障害者」で、あなたは「健常者」
というふうにはっきりと区別しないで、みんな共存している感じです。
車椅子で移動する人は本当にたくさん街に溢れているので、電車に乗ってても普通に隣や後ろにいます。
昨日も、仕事に遅れそうで早足で歩いていたら、後ろから来た手漕ぎ車椅子に乗ったドイツ人女性に「ビュン!」と追い越されました。
すっごくパワフルな女性で、上半身を超鍛えてるって感じでした。
まあ、そんな話はおいといて、とにかく、ドイツでは、何かができない人がいたりしたら、何かに困っている人がいたら、その人を助けてあげるの、当たり前です。
これは、ここに住んでいて、本当にいい国だなーと思うところです。
もちろん、ドイツに住んでいて、嫌なところだっていろいろありますが、こと
「公共機関で席などを譲ってあげる、階段などで助けてあげるのが当たり前」
ということに関しては、この国はすごいと思います!
昨日も、ドレッドヘアに革ジャンで、唇に5個ぐらいピアスをつけてる怖そうなパンク風中年男性が、私が持っていた、重くてほとんど引きずってた荷物を、バスから降りる時に、何も言わずに後ろから来て、一緒に持ってくれたし
今日もある歳をとったおじいさんが路面電車から、よろよろ降りようとした時、髪を緑と赤に染めたギャル風のド派手な若い女性が
「手伝いましょうか?」
って超親切におじいさんに手を差し出していました。
あ、何でそんなこと書くかというと、本当は偏見で、見た目で判断しちゃいけないのに、何となく、いまだに外見の怖い人とか、奇抜な格好した人が、周りの困ってる人を普通に助けてるのを見ると
この人いい人だったんだ」
そう言えば、以前、旦那さんがソニー転勤で、ベルリンに3年間住んでいたママ友が、
「もー、ベルリンは、街に子連れで出かけてもストレスフリーでいいわ。
東京だと子連れは電車でもバス停でもみんなに迷惑そうに見られて、席も譲ってくれないし
バギーはいちいち折り畳まないといけないし。」
って言っていたのを、思い出しました。
私は、ベルリンでしか子育てしたことないので、その時はピンと来ませんでしたが。
ここはそういう意味では、住みやすいのですねー!
2 個人主義と人権の国だから
引用元: youtube.com
あと、ドイツ人は、自分の権利は良くも悪くも、いつも主張します。
時と場合によっては、くだらないことを主張されすぎて、時々うんざりすることだってあります。
でも、身体障害者や、マイノリティーの人たち、子連れの親が堂々と胸を張って、主張できる環境にあるのはすごく大事なことだと思います。
引用元: instagram.com
次に、容姿の件ですが、「車いすギャルさしみちゃん」がギャルの格好していると、
「まず普通の格好をしろ!」
みたいなことを書かれてますが、まず、そんなこと言い出す人もドイツ人の中にはいないでしょう。
でも、万が一いたら、他の人が超怒り狂うでしょう。
車椅子だから、普通の格好して、申し訳なさそうにしていないといけない、という概念は、ドイツという国にはありません。
それに、「車いすギャルさしみちゃん」がもしベルリンのその辺に現れても、特に容姿で目立つことはないでしょう。
もっとド派手な車椅子に乗っている人たくさんいますから。
また、こういう書き込みがありました。
(…)前に子どもの小学校の運動会で、我が子の写真を撮るためにみんな早くから並んで構えていた時、車椅子に乗った保護者が「車椅子ですので前をあけてくださーい︎」と怒鳴り声で当たり前のようにみんなの間を抜けて最前列にドーンと居座りました。
引用元: yahoo.co.jp
日本人の感覚では
「車椅子だからってエバってずうずうしい!みんな我が子を最前列で撮りたいのに!」
と思うかもしれませんが、これドイツだったら当たり前だし、誰も何も思わないし、文句も言いません。どちらかというとみんな、
「あ、どうぞ、どうぞ、早く気づかなくてごめんね!」
という感じでしょう!
この国では「できる人はできない人を助ける」というのはごくごく普通のことなのです。
というか、もし、車椅子の人がいるのに、その前をすり抜けて乗車しようとするものなら、
「ふざけるなー。 私が先だー!どけー!」
と怒鳴り散らされることもあります。
また「話しかける勇気が出ない」等の書き込みもありました。
中には手助けしたくても、周りを気にして行動出来なかった人も居るはず。
まさに、こういうことが、ドイツでは起こり得ないです!
手助けしたけりゃ、みんなさっさと早い者勝ちで手助けするからです。
いい意味でも、悪い意味でも「周りの目を気にしない国民」なので!
3 だいたい時間に余裕がある
引用元: youtube.com
もう一つの、結構大きい理由は、時間に余裕があることだと思います。
エレベーターで、悪気はなくても、車椅子の人に声をかけられなかったり、譲ることができない人本当にいると思います。
その中には、
本当に仕事が大変で、とても急がないといけなかったり
寝不足で周りを気にする余裕がなかったりする人も
たくさんいそうです。
ベルリンのラッシュアワーは、すでに午後4時くらいに始まります。
多くのドイツ人は、そのくらいの時間には、家に帰って家族と楽しい時間を過ごします。
休暇だって、
一年に4週間絶対に取らないといけない!
と決まっていて、それを守らない会社には罰則が課されます。
まあ、仕事によっては、その一部は次の年に繰り越すことも可能ですが。
でも、繰り越したら、絶対に、次の年に昨年分の休暇もを消化しないといけません。
労働時間が少なく、休暇もたくさん取れるので時間にゆとりがあるし、心にもゆとりができます。
だから、エレベーターで譲ってあげて、数分余計に待つくらい、なんてことないわけです。
私は、日本にいた時の習慣で、誰かに何かを頼まれると
「急いでやってあげよう」
と思って職場の廊下を小走りします。
もう、そんな小走りだけで、その辺に歩いている同僚に、
「走るなー!!!」
「ゆっくり歩けー!」
「焦るなー!」
と本気で怒られます。
そうです、ドイツの仕事場では、急いじゃいけないんです。
まとめ
「車いすギャルさしみちゃん」が、これからも身体障害者の住みにくさを積極的に発信していって、少しずつでも、住みやすい環境が整っていくといいですね。
ちなみに、ベルリンでも、まだ、すべての公共機関がバリアフリーに整備されているわけではありません。
でも、周りの人がすぐに手伝ってくれる、それが当たり前の空気があるってのは、本当に大きいです。