こんにちは。
人里に現れるクマ「アーバンベア」が年々増え続けています。
今年は10月末までに全国で6千頭以上のクマが殺処分となっています。
クマを駆除することに対しては、個人や、動物保護団体からのクレームが相次いでいることも確かです。
クマを捕殺せずに済むために、ゾーニングの可能性も模索されています。つまり、人の住む場所とクマの住む場所を引き離して、中間に緩衝地帯を作る方法です。
そのゾーニングを実践するための頼れる助っ人として今注目を集めているのが「AIシステム」です。
ここでは、例えば福島県会津市や、石川県小松市などで約3年前から模索されてきた、クマ対策専用の「AIシステム」をご紹介します。
アーバンベア対策にはAIが活躍!
クマの捕殺に対しては、多数のクレームが市の役所に殺到するなど、社会問題にもなっています。
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動物保護団体もむやみに捕殺数を増やすことには反対の姿勢をとっています。
人里に現れたアーバンベアが捕獲されたとしても、殺さずに、また山の中に放獣できないものでしょうか。
また、人の住む場所とクマの住む場所を引き離して、中間に緩衝地帯を作るゾーニングによって、共存できる方法を探るのは、現実的ではないのでしょうか。
放獣や、ゾーニングは、現実的ではないという見解を示す専門家も少なくありません。
ですが、長野県軽井沢市では、何年も前からゾーニングを実践して成果を出しています。
クマを殺さないためにはゾーニングが大事です。詳しくはこちらをどうぞ⇓
アーバンベアのAI対策①カメラ認知と警戒音で撃退
さて、クマ対策として、クマを殺さずに住む方法は、人の住む場所とクマの住む場所を引き離して、中間に緩衝地帯を作る方法、ゾーニングです。
そのゾーニングを実践するための強力な助っ人として今注目を集めているのが「AIシステム」です。
福島県会津市、石川県小松市などで、それぞ約3年前から模索されてきた、クマ対策専用の「AIシステム」です。
この「AIシステム」の特徴は、クマ対策用として特化しているので、クマをクマと認知して、スマホに連絡を送ってくれます。
それと同時に、大きな警報音とレーザ光を発するので、クマは、怖がって山のほうに逃げていきます。
クマ専用「AIシステム」を提供する会社には、例えば、
会津大学発のAIベンチャー、FaBo「野生動物検出システム」
引用元: asahi.com
があります。
福島県会津若松市にある会津大学の齋藤寛教授は、さかのぼること2018年に、クマを追い払うためのAIシステムの開発を始めました。
齋藤教授が、なぜこの「クマ追い払いAIシステム」を開発しようと思ったかというと、近年、会津若松市内で、住宅地や通学路の近くで、ツキノワグマが度々目撃されるようになっていたからでした。
イノシシに、農作物が荒らされる被害も相次いでいたため、クマやイノシシを追い払える装置を作ろうと思ったのだそうです。
引用元: asahi.com
一年目は、大学の研究費でほぼ手作りで、プロトタイプの開発に専念していたのですが、2019年にはすでに、完成したプロトタイプを猪苗代湖近くの公園に設置して実証実験を行うことができたのでした。
引用元: asahi.com
そして研究を始めてから3年目の2020年には、なんと、福島県が県の実証事業として協力を始めて、なんと、福島県内の6か所にその「クマ追い払いAIシステム」を設置して、広い範囲でも実証実験ができるまでになりました。
そして会津大学発のAIベンチャー企業「FaBo」が協力するようになって、技術力が上がりました。
「FaBo」は、ロボティクス事業などを手掛けるベンチャー企業です。
引用元: asahi.com
クマの絵を見せると、クマが出没したと察知して、10秒以内に青色の回転灯が点灯して、警戒音が鳴り響く仕組みになっています。
引用元: asahi.com
実証実験を繰り返すうちに、小型のセンサーが取り付けられているカメラは、自動で夜と昼のモードを切り替えることができるようになりました。
そして、改良を加えたカメラは、クマの逃げる方向にクマを追跡撮影できるようになりました。
引用元: asahi.com
クマがかわいく走って逃げていく姿が画像に残されていますね!
引用元: asahi.com
そして、クマが、青色の回転灯と警戒音にびっくりして、山のほうに逃げ去るだけでなく、約1分半後にはクマが出没したことが、事前に登録されている住民にメールで伝わるという仕組みになっています。
引用元: itmedia.co.jp
クマを夜間でも赤外線で撮影し、ある程度追跡の映像も撮ることができます。
引用元: itmedia.co.jp
そのおかげで、近隣の住民も、安心して生活できます。
アーバンベアのAI対策②レーザー光で撃退
「Zero To Infinity」株式会社は、新宿区新宿2丁目に所在地のある会社です。
「Zero To Infinity」は2022から日本橋人形町に事務所を構える半導体の会社「カミエンス・テクノロジー株式会社」と手を組んで、「獣害アナリスト」の開発に乗り出しました。
やはり、
引用元: zti.co.jp
動物がセンサー感知範囲内に侵入した時だけ、威嚇音を20~30秒間隔で鳴らすことができます。
でも、このシステムのすごいところは、威嚇音の種類や音量を、自宅で調整することができるということです。
ですから、ご近所から苦情が来ても、対応しやすいですね!
そして、この会社では、青色の回転灯ではなく、レーザー光がクマ撃退に使われます。
青色の回転灯よりも、レーザー光の方が怖そうですね!
引用元: zti.co.jp
でも、このレーザー光は、人間が万が一直視するようなことがあっても、目に影響はないそうです。
撮影画像をネットから確認できるのは、他の会社の「AIシステム」と同じですね。
引用元: zti.co.jp
カメラでは、動物を熱源(大きさと温度)として感知するため、精度は高そうですね!
福島県のAIは、クマの画像をクマと認識するシステムでしたね。
ソーラー発電のため電源が要らないことも、福島の「AIシステム」と同じです。
この「獣害アナリスト」は、すでに
千葉県君津市の中小規模農家の実証実験や、
群馬県嬬恋村のキャベツ農園(大規模農場)のクマ 対策の実証実験にて採用されているそうです。
ということは、まだ実証実験の段階ということらしいです。
アーバンベアのAI対策事例
新潟県長岡市の場合
引用元: www3.nhk.or.jp
新潟県長岡市の国営越後丘陵公園でも、毎年のようにクマが出没しています。
この公園でも、2022年から、「AIシステム」でクマの監視を行っています。
園内の30ヶ所にカメラを設置して、画像は、AIが自動で解析してくれて、クラウドに保存されるそうです。
そして、クマだと判定されると、職員にメールが来ます。
引用元: www3.nhk.or.jp
そして、クマが出たと分かったら、職員は丘陵公園の一部を念のため閉鎖するのだそうです。
引用元: www3.nhk.or.jp
でも、時々、他の動物をクマと判断する子いう事例も起こるのだとか。
これから、「AI」の精度が増していけが、そのような間違いもほとんど起こらなくなるんだろうなと思います。
石川県金沢市の場合
引用元: youtube.com
2021年には、石川県金沢市のダイワ通信が「Face Bear」という、AIを使ったクマの監視システムの実証実験に踏み出しました。
市内の果樹園に設置して、実際に、黒装束の人間に四つ足でカメラの先を横切らせたところ、「Face Bear」は、大きさや色から、クマだと認識して、画像や位置情報がリアルタイムで登録している住民のスマホに届くシステムになっています。
引用元: chunichi.co.jp
研究には、やはり石川県立大の動物生態学専門の大井徹教授が協力しています。
これは北陸電力のパンフレットです。
引用元: rikuden.co.jp
電力会社も、この「AIシステム」の普及に力を注いでいるのですね!
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おわりに
石川県小松市では、市を挙げてゾーニングに力を入れており、2022年12月から2023年3月5日までに、「ゾーニング」のために、クラウドファンディングで6百万円も集めています。
アーバンベアの捕殺を防ぐ秘策は、なんといっても、最新テクノロジーの「AI」ってことなのですね!
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