こんにちは。
大坂なおみさんのメンタルヘルスの問題に、ドイツテニス界のレジェンド、ボリス・ベッカー氏が苦言を呈したことを受けて、エンケ財団が怒りをあらわにしてから、今日までの経緯をまとめてみました。
大坂なおみ”うつ告白”
引用元:www.bigissue.com
記者会見は大会の一部とされていて、選手には義務化されていましたが、これからの大会運営にどのような影響を与えることになるのかが、注目されてから2年が経ちました。
その間大坂なおみ選手は、うつ病と戦いながらも東京オリンピックをはじめとして、いくつかの試合に出場しましたが、大きな成果は見られませんでした。
それどころか、2022年3月にインディアンウェルズ(アメリカ)で行われた「BNPパリバ・オープン」では、観客から
「なおみ、お前は最低だ!」
と暴言ヤジを飛ばされ涙する事態となり、”うつ病”からの回復にはまだ程遠いことは明らかでした。
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ボリス・ベッカーの大坂なおみに対する苦言
引用元:www.tennisnet.com
かつて、17歳でウィンブルドンで優勝し、ドイツの黄金時代をになった元テニスプレイヤーのボリス・ベッカー氏がイギリスメディア「The Sunday Times」の2021年6月26日の「Saturday Interview」で大坂なおみさんのメンタルヘルス問題について
「食べることにすら困っていたり、養う家族がいるのに仕事がなかったり、人生を変えるようなケガをしたり、そういったことの方がよっぽど大変だろう。あなたは23歳で、健康で、裕福で、家族にも恵まれている。何がプレッシャーなんだ?」
引用元: themes.co.uk / 日本語訳筆者
と語り、また
「テニス選手は記者会見をしないといけないのか」
という問題にいても
引用元:www.focus.de
「メディアに対応できなければプロテニスプレーヤーとして活動するのは難しい。これも仕事の一部で、彼女は対処法を学ぶ必要があるだろう。
ツアーはマスコミなしでは成り立たないし、賞金やスポンサーを工面するのも大変だ」引用元: news.nifty.com
と全面的にメディア対応とテニスを切り離すことはできないという立場をとったのでした。
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ロベルト・エンケ財団って何?
引用元: footballchannel.jp
元ドイツ代表でハノーファーのGKロベルト・エンケ氏が2009年に自らの命を絶ってっから、彼が6年間もうつ病に悩まされていたことが公にされました。
それまでのドイツでは、スポーツ選手が「うつ病」問題を明かすことは、マイナスなイメージを与えキャリアにも影響するとして、にタブーとされていたので下。
引用元: wikipedia
エンケ氏の衝撃的な死をきっかけに、ドイツ国内ではうつ病に関する考えが深まり、ドイツサッカー協会、ドイツサッカーリーグなどが中心となり、2010年にロベルト・エンケ財団を設立し、それ以来、心臓病を抱える子供たちやうつ病を抱えるアスリートたちの救済活動を行っています。
ロベルト・エンケ財団会長がボリス・ベッカーに反発!
引用元: spiegel.de
ロベルト・エンケ財団の会長は、亡きロベルト・エンケさんを妻として長年支えてきたテレザ・エンケさんです。
夫の死後、彼の長年のうつ病を公表したのも彼女で、財団の活動を精力的に行なっておられます。
ボリス・ベッカー氏の2021年6月26日の大坂なおみさんに向けられた苦言に対して、ロベルト・エンケ財団の会長であるテレザ・エンケさんは同年7月1日に痛烈に批判しています。
引用元: twitter.com
親愛なるボリス・ベッカー、
あなた、本気で言ってるの?
ナオミ・オーサカは今健康なんかじゃない!
「うつ病」っていうのはお金や成功や贅沢とは無関係。
「うつ病」は、残念ながら誰でもなる可能性のある病気なの。
そしてこの問題は軽々しくコメントできるようなテーマでは無いのよ。とにかくいつでもいいから連絡ちょうだい!私たちの財団がしっかり説明すれば、あなたは正しい理解をすることができるから。
引用元: twitter.com
今も根強い「うつ病」への間違った解釈
エンケ財団はツイッターで
「ベッカーは、うつ病患者が回復するには、心の安静と外部からのプレッシャーを受けないことが必要だということを、全く理解していない。彼だって、手首を骨折した選手が欠場しても批判しないだろう。」
と補足しています。
そうです「うつ病」という病気は「病気」であり、他人になかなか打ち明けにくい繊細なテーマなのです。
だから、本当は、大坂なおみ選手が、2018年からうつ病に悩み続けていることを明かしたという事実こそが、評価されるべきだったのです。
打ち明けたくても打ち明けられないスポーツ選手に勇気を与えてくれる行動だったのです。
大坂なおみさんの現在
大坂なおみ選手は、2023年1月12日に自身のツイッターで妊娠を発表し、7月出産。
2024年1月にはてぬスコートにカムバックしています。
1年3ヶ月休んで、かわいい赤ちゃんのことを一番大事に考えて、休養した後の復帰で、気分もリフレッシュできているようです。
おわりに
2021年に自身のうつ病を明かしてからも、周りは大坂なおみさんをそっとしておくことはありませんでした。彼女への誹謗中傷も無くなりません。
結局「うつ病」を抱えるスポーツ選手は、キャリアを断念するしか回復への道はないのでしょうか。
ドイツでロベルト・エンケ氏の死をきっかけに広がっていった「うつ病」に対する根本的な正しい理解とサポートの必要性が、日本のスポーツ分野でも、もっとオープンにディスカッションされるようになるといいですね。